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April 12, 2007

これでいいのか、給食費問題

【給食費滞納、宇都宮市が確約書配布…「保証人」に苦情も】
 宇都宮市教委は、市立小中学校93校に通う児童・生徒(約4万人)の保護者全員に今年度から「給食費納入確約書」の提出を求めることを決め、書類の配布を始めた。
 支払いが滞った場合に備えて連帯保証人も求めており、保護者からは「きちんと払っているのに保証人まで必要なのか」などと苦情が寄せられている。
 確約書は市長あてで、「私は、学校給食費を納入期限までに納入することを確約します」という内容。連帯保証人については住所、氏名、電話番号を記すほか、押印も求めている。
(中略)
 06年度も新たな滞納があり、市教委は「保護者の意識を高めるため」と確約書を求めることにした。ただ、「給食費を払っているが、保証人の選定は難しいという場合は、個別相談に応じるよう校長にお願いしてある」という。保証人の記入欄がある確約書を求める方法は、長野県伊那市教委が05年度から行っている。
       (2007年4月12日0時23分 読売新聞)


一年半前から就任した市長の公約(マニフェストというんでしょうか)は、市内公立中学への完全給食実施だった。
それだけのために当選したのかどうかはわからないけれど、給食を待望するお母さんが多かったのは事実。
確かに子ども3人に旦那さんと自分の分までお弁当を作って出勤してるというお母さんの話を聞くと大変だろうな、と思う。

うちも中学入学前は弁当作りが憂鬱で仕方なかったけど、まぁ一人分だし、朝から電子レンジの音を鳴らしまくってはいるけれど、慣れてしまえばどうってことないと思っていた。
ただ、息子の中学には校内に軽食を買えるような購買部もないし、通学路にコンビニもないので、完全給食でなくてもいいからどうしても弁当を作れないときに昼食を注文できれば助かると、給食実施に関するアンケートにはそう書いた。

そして昨年から、朝、業者に給食を注文すればお昼に届けてくれるシステムが導入されたのだが、この給食が「少ない・まずい」と頗る評判が悪い。
その結果、今も冷凍食品の半額セールに走り回り、朝から台所でピーピーいわせているわけだ。

上記のニュースについて(ミクシイで)日記を書いてる人の反応を見ると、このやり方に概ね好意的。いいのか? そんなんで(笑)。
公教育の主旨から考えれば、宇都宮市の措置は大きく外れている。
これが徹底されれば、給食費を本当に払えない(それなりに経済力のある保証人を頼めない)家庭の子は欠食児童となり、義務教育の公立学校内がすでに格差を前提とした場になる。
その状態が進行すれば、おそらく地域の篤志家やボランティア団体などが支援に立ち上がると思うが、そういう構図を「地域での教育力」などと呼んでいいのだろうか? 
いずれにせよ、昨年末の教育基本法の改定以来、公教育の本質が変わってしまった以上、何ともいえない。

しかし、これからこういう自治体は増えるのではないか? 
アレルギー持ちや給食嫌いの子にも無理やり同じものを食べさせて、その上、給食費の支払いを連帯保証人付で確約させるなんて、まるでヤ●ザまがいの手口に見えるが、こういうことに文句もいわず、ただ「給食費を払わない親が悪い」とする風潮が、要するに「民意」なのだとしたら、本当に憂鬱になる。

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Comments

藤崎さま、
このニュースびっくりしました。 ニュースにびっくりしたというより、このニュースに関してブログを書いている人のコメントに、びっくりしました。

新聞記事によると、滞納は446人、約2414万円。 対象者は4万人。 すなわち滞納者は0.6%。 給食1食あたりの材料費が300円とすると、(滞納者率=滞納額率とすると)滞納者のせいで298円の材料費になります。  
2005年の文科省の調査で、滞納者割合が1%、滞納額率が0.5%だから、滞納者が1年を通して滞納していない可能性が低いので、宇都宮市の場合、滞納額率は0.6%より低いでしょう。

食材の値段はもっと大きく上下しますよね。 だから、宇都宮市での給食費の滞納が、他の児童に大きな迷惑をかけたとは思えません。

それより、保証人というのは頼みにくいものですから、困る人も多いでしょうし、保証人を出せ、という現場の先生も辛いでしょう。 実際に0.6%という金額は、給食自体に大きく影響するものではないのに。 お金があるのにわざと給食費を払わない親が、連帯保証人の印鑑をもらってくるはずはないでしょう。 また「給食費納入確約書」をきちんと出す人が、給食費を払わなかったっ場合・・それは本当にお金がないからでしょう。

コンマ数パーセントの家庭で、保護者が貧乏だったり、変わり者だったり、極端な話、犯罪者で給食費どころではない状態だったりしても、今も昔も不思議ではないですよね。 

現在に特徴的なのは、給食費を払わない親がわずかにいる、ことではなく、よってたかってバッシングする、ということだと思います。

美しい国、ニッポンですね。 少しでもモラルに反する人・・美しくない要素があれば、みんなで叩く。 ほんのわずかでも外れる人を許容しない。 
これが教育基本法を改正し、憲法まで変えて作ろうとする国だとは。 

Posted by: けい | April 12, 2007 at 09:57 PM

ブログの(中略)には
「昨年5月現在、同市で2001年度~05年度分の給食費について滞納がある人は、702人で、滞納額は約3289万円。昨年9月以降、悪質な滞納者に対して簡裁への支払い督促の申し立てなどを行った結果、今年2月現在、滞納は446人、約2414万円に減少した。」
とあります。702人中446人は払ったとして、その他の256人についてはどうなんでしょう? それは「支払えない層」ということで措置されるのでしょうか?
そして「悪質」と判断される基準とは何なんでしょうね。
そういうことが明確にされず、印象だけでバッシングに走る風潮が本当に憂鬱です。
教基法と憲法の改定が、この風潮に拍車をかけることが危惧されます

Posted by: 藤崎りょう | April 13, 2007 at 10:39 PM

256人は「支払えない層」ということで措置たのかもしれませんね。

宇都宮氏の教育委員会の議事録(H17.3)によると
「学校管理課長: 給食費未納者の 20%は要保護世帯,準要保護世帯で,残り 80%の多くはお金はあるけれども払う気持ちがない家庭である。」
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/dbps_data/_material_/localhost/kyoikuiinkai/kyoikukikaku/kaigiroku/kyoikuiinkai_13_kaigiroku2005_05.pdf
と、生活保護や学費補助を受けている世帯以外を、すべて「お金はあるけれども払う気持ちがない家庭」としているようです。

また、宇都宮市長は定例記者会見で
「特に大きく見ると真面目に生活して働いている方々が、きちんと報われる社会をつくっていかないと、そこが崩れてしまうとどんどん悪循環の社会を生み出して、安全でない・安心できないというまちになってしまいますので、これはこれからの道州制を見据えて都市の力、都市力と人間力を高めていかなければならない。」
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/koho/kishahappyo/004664.html
とのこと。 給食費未納で金銭的に困る、というより、ゼロトレランスの意図があるようです。
連帯保証人の要求は、給食費未納世帯への怒りを煽る意図のような気がします。

印象だけで、バッシングにはしる風潮があると思います。
去年の産経新聞の記事「給食費払わぬ親たち お金あっても「頼んだ覚えない」」の出だしが

「「高級外車を乗り回し、携帯電話に何万円も払っているのに、給食費は払わない保護者がいる」。文部科学省にはこんな報告が相次いで寄せられている。」

給食費が払われないことより、「高級外車」や「携帯電話に何万円」のような"しるし"が先に来ています。
冷静に考えると、文部科学省は公式なプレスリリースをしていないので誰が情報源かわからないし、誰が文科省に報告を寄せたか書いていないし、「相次いで」の頻度は書いていないし、だいいち、他人の携帯電話の料金をどうして知ったの? で、「高級外車に乗り回し、携帯電話に何万円も払っている」のは給食費未納者の何割?

こんな話に簡単に騙されてしまうのは、大衆がそれを求めているからでしょう。

教育基本法などの改正は、こういった大衆心理を利用しましたよね。 憲法も、そうなるでしょうか。 

Posted by: | April 15, 2007 at 10:01 PM

>給食費未納者の 20%は要保護世帯,準要保護世帯で,残り 80%の多くはお金はあるけれども払う気持ちがない家庭である。

ものすごく大雑把な括り方ですね。(@@
では市の生活保護支給の実態はどうなっているのか、申請者の何割が受給できて、その条件は何なのか? というところまで明確にされなければまったく説得力のない説明です。

>真面目に生活して働いている方々が、きちんと報われる社会をつくっていかないと、~~

宇都宮市長の言っていることは一見正論ですが、やっていることは真逆です。
こういう懲罰的な措置で「きちんと報われる社会」を作れると思っているのだとしたら、宇都宮市民の住民性を随分見下しているのですね。

確かにいろんな人がいますから
>高級外車を乗り回し、携帯電話に何万円も払っているのに、給食費は払わない保護者
がいないとは言いません。

しかし、こういう人はどんなことをしても払わない人なんじゃないでしょうか。
行政のほうでもそれはわかっているはずです。
恐らくこういう人はむしろ権力に近い人たちなのでは?
そしてもちろんレアケースです。

ですから、結局は弱い者いじめの構図を強化していく措置に過ぎないでしょう

Posted by: 藤崎りょう | April 16, 2007 at 03:26 PM

>教育基本法などの改正は、こういった大衆心理を利用しましたよね。 憲法も、そうなるでしょうか。 

国民投票法案が衆議院で採決され、そんな無気力感に陥ってしまいますが、そう簡単に憲法を変えることはできないようです。
だから私たちも変な手続きをされないようしっかりチェックしなければ。

詳しくは「JIROの独断的日記ココログ版」に書いてありますのでお読みください。
このことはもっと広く知らせないと、すべてが改憲に向かってのレールになってしまいます

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2007/04/post_3b76.html

Posted by: 藤崎りょう | April 16, 2007 at 03:57 PM

藤崎さま、

よいブログをご照会いただきまして、ありがとうございました。 なるほど憲法改正が出来るのは早くて4年後なんですね。 安倍さんは国会にもういないですよ。 それまでに洗脳されないようにしないと。 

私には憲法改正とか教育基本法改正の意図が分からないんです。 改正推進派の方が書いている文を読んでも、敗戦でアメリカに押し付けられたから(これでは改正する理由になっていない)とか、規範意識の低下とか。 規範意識の低下の根拠も、世論調査でそういう結果がでているから、しかなくって。 規範意識の低さを嘆くぐらい規範意識が高いんだな、と思います。 

給食費未納の増加、いじめ自殺増加、少年凶悪犯罪の増加、教師の質の低下、学力低下、どれも根拠がないですよね。

彼らは何をしたいのでしょうか。 単純に実質的大多数の有権者である中高年層の「今の若いやつらはけしからん。 俺たちと同じ価値観を押し付けろ」という気持ちを利用して選挙の票を稼ぎたいだけなのか、それともまさか本当に戦争したいのか。


宇都宮市長みたいな考え方は、私は嫌いです。
法治国家だから、違法な料金未払いに関して法的措置をとるのは、アリかなと思います。(もちろん子どもを巻き込んだりせず、子どもの人権が十分に守られれば) が、市民の無知を利用して怒りを扇動するようなやり方は、あまりにも人をバカにしていると思います。

Posted by: けい | April 16, 2007 at 10:08 PM

>けいさん
JIROさんのブログはためになるでしょう?

共謀罪も去年の今頃は、「今年中に成立」と言われてたのに、まだ成立していません。
教育基本法と国民投票法は残念ですが、改憲までの道はまだまだ遠いのです。
与党の思うがままにさせたくはないですよね。

>規範意識の低下の根拠も、世論調査でそういう結果がでているから、しかなくって。 規範意識の低さを嘆くぐらい規範意識が高いんだな、と思います。

確かにそのとおり!^^
目からウロコの意見です。
そういう当たり前の感覚がなくなって、私も「(皆がそんなに変えたがってるなら)改憲も仕方ないのかなぁ」という無気力感に陥るところでした。
素敵な視点をありがとうございます。

Posted by: 藤崎りょう | April 17, 2007 at 10:03 PM

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